「認知症に優しい社会づくり」行動計画採択

公開日:  最終更新日:2017/06/20

WHOが「認知症に優しい社会づくり」を促す行動計画採択しました。
これにより、加盟各国に認知症の人に優しい社会づくりを促します。
内容は、社会啓発、リスクの軽減、適切な診断、介護者支援、研究の推進など7分野の対策を取るように求めるています。
特定の病気についてWHOが行動計画を出すのは異例とのことだそうです。

では、認知症はどんな病気なのでしょうか?
認知症とは、さまざまな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりして障害が起こり、生活上で支障が出ている状態を言います。以前は痴呆症と呼ばれていました。

認知症は病名ではありません。
病名が決まっていない「症候群」という扱いです。
医学的には、診断が決められず、原因もはっきり分かっていない状態のことを言います。

「物忘れ」には加齢によるものと、認知症が原因のものとがあります。

加齢による物忘れは老化が原因で起こります。
程度としては一部の物忘れであり、ヒントで思い出せるレベルです。
進行性がなく、日常生活に支障をきたすこともありません。

認知症が原因で起こる物忘れは脳の神経細胞が急激に破壊された場合に起こります。
物事全体がすっぽりと抜け落ちてしまいます。ヒントをもらっても思い出すことができません。
進行性であり、日常生活に支障をきたします。

では、認知症にはどんな種類と特徴や原因、症状があるのでしょうか?

・アルツハイマー型認知症
 認知症の中で一番多く認知症の半分以上がこのタイプです、女性に多いのが特徴です。
 アミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質による神経細胞の破壊が原因といわれています。
 記憶障害、判断能力の低下、見当識障害、徘徊や妄想などの心理症状(BPSD)がでてきます。

・脳血管障害型認知症
 認知症の20%がこのタイプです。男性に多く、一進一退を繰り返しながら進行していきます。
 脳梗塞や脳出血・くも膜下出血など、脳の血管障害が原因で起きます。
 まだら認知症になりやすい、うつ傾向、言葉が中々出ない、集中出来ないなどの症状がでます。

・レビー小体型認知症
 認知症の20%をがこのタイプです。女性の約2倍と男性に多いのが特徴です。
 特殊なたんぱく質により神経伝達が障害されて起こります。
 物忘れ、幻視、誤認妄想、パーキンソン病に似た症状が出ることもあります(手が震える、動作が遅くなる、筋肉がこわばるなど)。

・前頭側頭型認知症(ピック病)
 対人関係を維持する能力や感情が低下します。男女差は特になく、50~60代を中心として発症します。
 原因は分かっていません。
 同じ行動を繰り返す、異常な食行動、集中力や自発性がなくなるなどの症状が出ます。
 精神疾患だと誤診される場合があります。

大きく分けてこの4種類に大別されます。

それ以外にも

・若年性認知症・・・64歳以下で発症する認知症の総称です。
・アルコール性認知症・・・大量にアルコール飲み続けたことが原因で、脳梗塞などの脳血管障害などを起こし発症する認知症
・正常圧水頭症(NPH)・・・脳脊髄液が溜まりって脳を圧迫して障害を起こし、脳圧が上がりにくい状況になる水頭症です。
・まだら認知症・・・脳血管性認知症で発生する、同じ事が出来たり・出来なかったりする症状です。

などに分類される場合もあります。

アルツハイマー型認知症の治療は、リハビリテーションなどの「非薬物療法」と、アルツハイマー型認知症のお薬による「薬物療法」があります。
脳腫瘍・慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・脳血管障害等の疾患や、脳症や薬の副作用によるせん妄状態などによる認知症(治療可能)を除いて、認知症を完全に治す治療法はまだありません。しかし、進行を遅らせることはできます。

そして、治療と並び重要な役割なのが家族の対応です。
完璧な介護を行うことよりも、穏やかな人間関係が大切になってきます。
家族が認知症を理解して、本人との信頼関係を築くことが第一です。
適切なケアを行なえば、周辺症状などが回避できる場合もでてくるのです。

日本では、2025年に認知症患者が700万人を超えるとも、1300万人とも言われています。
徘徊や高齢ドライバーの問題は社会問題となっています。また介護者不足も社会問題となっています。

日本だけでなく、今後世界が高齢化社会に進んでいきます。
その中で、認知症の問題は今のままでは必ず大きな問題となっていきます。
薬が開発されれば別ですが、そう簡単ではありません。
家族の在り方も大切です。しかし生活環境や社会環境も大切になってきます。
家族だけでは解決できない部分も多く、それには近隣環境の中でお互いが協力していくことが必要になっていくのではないでしょうか。

医療の進歩に期待しながら、しかし現実の、目の前の問題に対応出来る社会をどう作っていけばいいのか、私たちも、政治家も考えなければいけません。
時間的な猶予はもうありません。

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

Your Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


PAGE TOP ↑