体温で溶ける金属「ガリウム」について

体温で溶ける金属「ガリウム」について

公開日:  最終更新日:2017/06/26

ガリウム(gallium)と聞いてピンとくる方はおられるだろうか?
科学に詳しかったりする方以外、確かそんな金属があったなくらいにしか誰も分からないと思います。

そんなガリウムが話題となっておりました。
それは融点が29.76°Cと低いため、体温で溶けてしまうからです。

そんな、ガリウムについて調べてみたいと思います。

ガリウムは原子番号31の元素で、元素記号はGaです。
ホウ素やアルミニウムなどと同じ第13族元素に属します。
融点は29.76°Cと低いのですが、沸点が2403°Cと非常に高いことでも有名です。

ガリウムは1870年にメンデレーエフの周期表で存在が予想された元素のひとつです。
1875年にフランスのボアボードランは閃亜鉛鉱(ZnS)を分析中に新元素ガリウムを発見しました。
元素名はラテン語のGallia(フランス)に因んでつけられてました。

単体のガリウムは自然では産出しません。
しかし溶解製錬によって簡単に作ることができる金属です。
ボーキサイトや亜鉛鉱に微量含まれています。
ガリウムはアルミニウムや亜鉛を製錬する際の副産物として得られます。

実際に手のひらにガリウムを乗せてみると、簡単に溶けていきます。
簡単に購入することができますので、実際に実験してみることが可能です。

非毒性と言われていますが、しかし皮膚炎や腎臓毒性を起こす可能性があるので取り扱いには注意が必要です。
うかつにやると手にこげ茶色のシミがついてしまう可能性があります。
ガリウムで遊ぶ時はビニール袋に入れておこなうことをオススメします。

ガリウムには他の金属を「攻撃」する特性があります。
他の金属組織を弱化させ、指でちぎれるほど脆くさせてしまいます。
例えば、iPhoneにガリウムがかかってしまった場合、金属がボロボロになってしまいます。
iPhoneは耐性が強いといわれているにもかかわらずです。
ですから何度もいいますが、実験には細心の注意を払ってくださいね。

世界市場のガリウムの95%は半導体に使われています。
ヒ化ガリウム・・・マイクロ波集積回路や赤色発光ダイオード、半導体レーザーなどに用いられるIII-V族半導体の主要な材料
窒化ガリウム・・・青色発光ダイオード
現在では、合金や燃料電池などの新規用途の開発も続けられています。

日本はガリウムの最大の需要国で、2006年の日本のガリウム需要は168トンでした。
これは世界の需要の約72%を占めています。

日本では、発光ダイオードやCDプレイヤーなどのレーザー光線源、マイクロ波特性からBSアンテナや携帯電話、磁気感応性からビデオレコーダーなどの精密機器類に使用されることが多いです。
だから、日本でのガリウムの需要が多いんですね。
また、手品などで使われる場合もあります。

他にも融点が低い金属としてはセシウムがあります。
セシウムの融点28.4℃です。
ただ、セシウムはアルカリ金属ですから、手に乗せて遊ぶことはできません。
自然発火しますし、強アルカリですから手がただれてしまいます。

こう考えてみますと、日本では意外と身近な存在な金属なのかもしれません。
ノーベル物理学賞の中村修二教授、赤崎勇名教授、天野浩教授の青色発光ダイオード(LED)の半導体が発明にもガリウムがかかわっていたんですね。ブルーレイディスクもこの発見から生まれた商品ですしね。
白色に発行するLEDの省エネ技術や、記憶容量が大幅に増えたブルーレイディスクなど、更に世の中が便利になっていくことを可能にした研究の素材にガリウムが貢献していたんです。

ガリウムは融点が低く、手の上に乗せるだけで溶けてしまう、見た目に面白い性質を持つ金属ですが、このように見てくるとそれだけでなく、細心の多くの技術に貢献する金属だったんです。
今後も更なる技術発展に貢献してほしい金属です。

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